旅は総合格闘技

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そもそも

国内外の総合格闘技の試合をよく見るのですが、海外を旅する度に海外旅はつくづく総合格闘技(MMA)に似ているなと思うので、今回はそれについて書きます。

総合格闘技について

MMAの試合を見ていると、打撃・組み技・寝技・スタミナ・戦略など色々な要素が複雑に絡み合い、選手はお互いに相手の苦手な要素を徹底的に突いたり、自分の得意な要素を活かしたりして有利に試合を進めようとします。どんなタイプの選手が相手でも勝ちを重ねることができる強い選手を見ていると、すべての要素が簡単には崩されないレベルに達しています。その上でさらに飛び抜けてレベルの高い要素が1つ以上あるとチャンピオンになったり何度も防衛したりすることができます。逆にいうと、圧倒的に弱い要素が一つでもあるとその要素を相手に突かれて崩されてしまうので安定して勝ち続けることができません。つまり、相手に圧倒的に劣る要素が無ければまず負けないくらいには強く、その上で相手に圧倒的に勝る要素が1つ以上あれば強い選手の中でもさらに頭一つ抜けて強いということです。この話はMMAファンであれば特に異論はないと思います。

旅のどこがMMAに似ているのか

そんなMMAに旅のどこが似ているのか。まずは、お金・時間・情報(思考)・体力・コミュニケーションなど色々な要素が複雑に絡み合っているところです。そして、それらの要素のうち1つでも圧倒的に足りないと一気に旅の難易度が跳ね上がり充実度が下がります(MMAでいうと負けます)。全ての要素が揃って初めてそれなりに安定した旅を続けることができます。その上でさらにどれか1つ以上の要素のレベルが高いと、一気に旅の難易度が下がったり充実度が上がったりします。やはりMMAに非常に似ています。具体的にどういうことか説明していきます。

弱みがあると旅はどうなるのか

お金が弱み

お金が弱み(事前準備した資金に余裕がない)の場合、旅先で食文化を含む体験をケチることになり、せっかくの経験値があまり得られなくなります。資金に余裕がないと体験の機会を目の前にして、イソップ寓話の「酸っぱい葡萄」のように何かと理由をつけて諦めてしまいがちです。実際に私はヨーロッパ各地で、博物館や教会の入り口でチケットの価格を見て踵を返す人々をたくさん見てきました。人それぞれ基準が違うので難癖をつける意図は皆無ですが、あくまでも私自身は体験/経験を得るために旅していると考えているので、そこをケチるとすると「自分は一体何をしにきたんだ」という気持ちになります。そのため、多少割高だと感じてもそこでしか体験できないと判断すれば進んで体験することにしています。実際にそのような体験が一生語り継げるような経験になったことが今までに数多くあります。

また、資金に余裕がないと無意識の内に全てを値段で捉えるようになってどんどん視野が狭くなっていきます。私自身も以前東京で生活していた時にそのような状態になってキツかった経験があります。せっかく訪れている旅先でそんな状態になるのはシンプルに嫌です。ヨーロッパのどの街のホステルに泊まっても、会話しているとすぐに「それはいくらか?」みたいなことを聞いてきて「それは高い」「それはコスパがいい」みたいな話をしてくる人が少なからずいます。そういう人に会うと「いやいや、お金より貴重な経験があるねん」と毎回言いたくなります。

情報が弱み

情報が弱み(情報収集不足、全般的な知識不足)の場合、金・時間・体力・機会・経験などあらゆるものを損失します。例を挙げればキリがないですが、例えば観光パスや交通パスの存在を知らずに何度も個別チケットを購入していたら経済的に損しますし、目的地が休業しているという情報を到着するまで知らなかったら時間も体力も損失しますし、日曜日はバスが運行しないという情報を知らなかったらそもそも目的地に辿り着けず機会も経験も逃してしまいます。また歴史や文化などの知識が不足していると、遺跡や博物館を見てもそれほど楽しむことができません。海外旅はとにかく「知は力なり」を痛感する瞬間が頻繁にあります。

体力が弱み

体力が弱み(体力がない、身体が強くない)の場合、単純に一日で歩ける時間と距離が短いので、目的地を回るのに余分な日数とお金がかかります。また、体力がないと思考もすぐに鈍ってくるので、思考がある程度要求される博物館や美術館を最後まで楽しむ余裕が無くなったり、体験したことについて後で振り返ると何も覚えていなかったりします。また心身ともに過度に疲れると、元々行く予定だった目的地についても「まあ行かなくてもいっか」と諦めがちになってしまいます。そして、体力を回復するためにより快適な環境でシャワーを浴びたり睡眠をとったりしたくなるので、ある程度クオリティの高い(=価格が高い)宿泊施設に泊まることになり、やはりお金が余分にかかります。

また、重い荷物を持って長時間移動すると激しく疲労するので、なるべく荷物は小さくするべきなのに、身体が強くない人に限ってそれを補うためのモノを色々と持参したくなるというジレンマが発生します。自分一人で制御できる以上の荷物を持っている旅行客を実際によく見かけますが、色々な意味で危険だと感じることが多いです。例えば、飛行機内で機内持ち込み荷物を棚に自力で挙げようとして落としそうになったり、列車内で揺れた時にスーツケースを制御できずに他人にぶつけたりする人を見たりするとかなり心配になります。

コミュニケーションが弱み

コミュニケーションが弱み(言葉がわからない、会話が億劫、無愛想)の場合、海外に滞在している間ずっとストレスを感じます。現地の言葉がわからないと、長距離列車の出発直前にプラットフォームが変更になったり運行中止になったりしても、現地の言葉でアナウンスされるだけだった場合に(割とある)気づくことができません。特に交通機関を利用する際に自分から話しかけることに億劫になって正しい情報を係員や運転手に確認することを怠ると、目的地と全く違うところに行く羽目になったり(私調べ)、目的地に到着する時間が大幅に遅れたりして大損害を被ることもあります。当然、他人と会話する際にも言葉がわからないと体力とメンタルが過度に消耗していきます。さらに、いわゆる非言語コミュニケーション(ジェスチャー、笑顔、愛嬌など)も苦手な場合には、相手に冷たい対応をされがちで、より一層疲れます。

すべて実話です

このように、海外を旅するときに1つでも弱みがあると、ストレスフルなハプニングが多発したり想定外のコストがかかったりして、旅の難易度が上がり充実度が下がり、せっかくの旅がネガティヴな思い出になってしまいます。弱い人をディスっているように聞こえたかもしれませんが、決してそういう意図はなく、いずれの内容も極めて現実的です。それもそのはず、ここで挙げた例はもれなく私自身が実際に経験したこと、または私の目の前で実際に他人に起こったことだからです。海外旅は準備や鍛錬を怠って弱みを放置しておくと一気に脆弱になります。まさにMMAです。

強みがあると旅はどうなるのか

ではそういった弱みをある程度克服した上でさらに強みがあると旅がどうなるか。お金があれば利便性や安全性や様々な体験を得ることができますし、情報があれば最適な手段やルートやタイミングの選択ができるので時間とお金を効率的に使えますし、体力があれば一日あたりに多くのことを体験できたり長期間旅できたりしますし、コミュニケーションが得意であれば正確な情報を得られたり特別なサービスを受けられたりします。つまり旅の難易度が下がるとともに充実度やオリジナリティが上がり、ポジティヴな出来事や思い出が増えていくということです。MMAでいうと継続的に勝ち続けられるようになるということです。

結論

言い訳せず自分に嘘つかず、本番に向けて淡々と準備するのみ。