行ってわかったヨーロッパ
そもそも
2022年5月から9月にかけてヨーロッパの各都市を旅した際に体験した、行って初めて分かったヨーロッパ各都市に共通することを色々と書いていく。
人
コミュニケーションの量が多い
コミュニケーションの量が日本に比べてとにかく多い。レストランやホテルのスタッフ、商店の店員、床屋のおじさん、列車の乗客、街ゆく人など、みんないつでもどこでもとにかくおしゃべりをしている。みんな大袈裟ではなくノンストップでしゃべり続けていて、しかもワンターンがこれでもかというぐらい長い。もはや友達同士の会話でも、プレゼン合戦でもしてるのかと思うぐらい交互に一生懸命ながーーーく話している。自分も知らない人に話しかけられてそのまま長々とおしゃべりすることがよくあった。
お店でそっとしておいて欲しい時でも話しかけられることがよくあり、ホスピタリティというかおもてなしの概念が日本とちょっと違うのかもしれないと思った。日本はなるべくコミュニケーションをしなくてもゲストが困らないように全部そろっている状態にしておくのがホスピタリティだとするならば、ヨーロッパはより多くのコミュニケーションをとってゲストの好みに合わせて体験をカスタマイズすることがホスピタリティなのかもしれないと。そしてゲスト側も同じ概念を共有していてそれが行動に表れるのではないかと。実際に飲食店で他の人の注文を聞いていると「ケチャップ多めで」「マスタード少なめで」みたいなちょっとした(アレルギーなどが理由ではなさそうな)カスタマイズ注文をする人が(低価格帯の店でも)やたら多いという印象を受けたが、それもお金を払った以上ゲストとしてサービスを最大限活用すべきという精神の表れではないかと考えている。いわばカスタマイズするのがステータスというか、ゲストとしてサービスをちゃんと受けている感を感じたいがために「わざわざ」カスタマイズ注文しているのではないかと思う節も多々あった。
また、日本がシステム(やマニュアル)で対応しているようなオペレーションも、ヨーロッパではコミュニケーション量でカバーしている場面が何かと多かった気がする。普段から割とオペレーションがカオス状態でそれに臨機応変なコミュニケーションで対応している節があり、だからこそ非常時もそれほど致命的な問題が発生することなくレジリエントな対応ができているような気がする。
ちゃんと議論ができる人が多い
知らない事実を伝えると割と素直に受け入れるのでちゃんと説明すれば割とわかってくれる人が多かったり、各人にとっての最適解が異なるという考えをみんなが前提として共有しているので意見や仮説をストレスなく言い合える人が多かったりする。この辺りは日本人と日本語でコミュニケーションする時の方が不自由に感じることが多い。おそらく教育の影響だろう。
目が合うと芸能人ばりにニコッとする
みんな目が合うと「カメラを向けられた芸能人か」って思うくらいニコッとする。あれは自然に身についたものなのか、ある程度教育されるものなのかどっちなんだろう。
タトゥー率が高い
老若男女問わずタトゥーを入れている人が、日本では考えられないくらい多かった。色々な記事を読むと、これほど多くの人々がタトゥーを入れ始めたのはここ10年ほどの話で、それ以前はやはり日本と同様にネガティヴな印象をもたれていたらしい。そのためここ10年ほどでタトゥーを入れた可能性が高い若男女をよく見かけるのはまだ理解できるとして、(見た目)60歳以上でタトゥーを入れた老男女もよく見かけたのはちょっと驚きだった。そういう老男女を見かける度に、ここ10年ほどの流行の影響で入れたのかそれ以前に入れていたのかどっちなんだろうと気になっていたが、残念ながら誰かに尋ねる機会は得られなかった。いずれにしても、日本とは比べ物にならないくらい自由というかアナーキーな雰囲気が老若男女の間に浸透している社会の一端を垣間見た気がした。
母一人子一人の旅行客が多い
飛行機や長距離列車の中で近くの座席の子どもに絡まれる(超かわいい)ことがたまにあり、その度に同席していたのが母親だけの場合が多かったこともあり、ふと母一人子一人の旅行者が日本に比べてやたら多いことに気づいた。たまたま母一人子一人だった場合もあるとは思うが、バカンスシーズンに遺跡などゴリゴリの観光地(流石に父親だけ置いて行く可能性は低そう)でも同様の親子をたくさん見かけて、元々ヨーロッパで一人親の家庭や婚外子が多いことは知っていたが、シングルマザーの家庭の多さを実際に肌で感じた。シングルファザーっぽい人はあまり見かけなかった気がする。
物理的な距離が近い
どの街でもすれちがうにしても列に並ぶにしても電車やバスで隣同士で立つにしても日本より距離が近いと感じることが幾度となくあった。人混みはさておき、空間に余裕がある場合でも肌や荷物が触れるぐらいの距離設定をしてくる人が多かった。距離感と関連して、自分が無人のところに座っていると、他にいくらでも座るところがあるのに、なぜか自分の近くからどんどん人が座っていく現象を少なくとも5回は観測した。乗客が少ない時間帯の空港で、ざっと100席はありそうな空間に自分を含め5人ぐらいしか座っていなかった状況で、新たに来た人が自分のすぐ斜め後ろに座った時は本当に理解不能だった。その席が導線的にたどり着きやすい訳でもモニターや景色が見やすい訳でもなかったので、なおさら理解不能だった。ヨーロッパの人は人に近づきたがる習性があるのかもしれない。
飛行機搭乗時に早めに並ぶ
私が経験した限りでは、ヨーロッパの空港で搭乗時刻通りに搭乗開始したことはおそらく一度もないのだが、それでも20分前から搭乗口に立って並ぶ人が少なくなかった。時間に大雑把なヨーロッパの国民性と辻褄が全くあわない気がするんだが、あれはなぜなんだ。
街角でただ突っ立ってる人がやたら多い
割とどの街でも街角でただ突っ立って虚空を見つめてる人がやたら多かった。いわゆるホームレス的な感じでもない身なりもちゃんとした男性が多かった気がする。なぜそんなに多いのか、そこで何をしているのか、全く分からなかった。
バスや電車の中でスマホを見ていない人が多い
バスや電車に一人で乗っていてもスマホを見ていない人が割とかった。場合によっては半分ぐらいの人がただ虚空を見つめていたりした。東京の地下鉄とは大違い。
身体がデカい
身体が縦にも横にもデカい人が本当に多かった。特に中年以上の男女の肥満率の高さは街をちょっと歩くだけですぐ分かるぐらい異常だった。
民度が低い
道を譲らないとか、他人のためにスペースを空けないとか、隙あらば行列に横入りするとか、平気で大量に食べ残すとか、ゴミをポイ捨てするとか、トイレを破壊するとか、窓口でチケットを買うのに5分以上かかるとか、飛行機着陸直前に勝手に立ち上がって荷物棚を開けて叱られるとか、機体が完全に停止するまで席を立つなと言われても着陸した瞬間に立ち上がって我先に降りようとして叱られるとか、「ここは小学校か」と思うほどの民度の低さを体感する場面がとにかく多かった。もちろん全員がそうではないが、少数の一部の人だけとは言い切れないぐらい多くの人が随時そういう行動をとっていた。
他人のことを考えて自己犠牲も厭わないという日本の価値観とは真逆で、自分のことだけを考えて労力を少しでも他人のために使ったら負けみたいな価値観は一体どこで身につけるのか。
人種差別
思い出すだけで胸糞悪いので具体的な体験はあまり書きたくないが、急に全く知らない人に突き飛ばされたり、急に声をかけられて「あっちいけ」と書かれたTシャツを指差しながら「これ読める?」と言われたり、とある観光地でちゃんとチケットを買って入口から入って見学していた時に(周りに同じような観光客がたくさんいたのに)自分だけ出口から入ったことにされて無理やり追い出されそうになったり、色々な場所で色々なやり方で人種差別と思われる扱いを受けた。
喫煙者だらけ
宮殿の庭とか、美術館の入り口とか、電車(禁煙)に乗り込む車両の入り口とか、どこもかしこも喫煙者だらけだった。街中が煙草くさいことも珍しくなかった。フランクフルトのホステルの部屋(禁煙)でモロッコ出身のドイツ人に「煙草吸ってもいいか」と聞かれ「臭いがあまり好きじゃないのでやめてくれ、そもそもここ禁煙だし」と言ったらキレられて口論に発展したことがある(結局そいつは文句言いながら外に吸いに行った)。ルールを破って他人に迷惑をかける側がキレるなよ。。。
若者が絶望的にゆとり世代
絶望的にゆとり世代というか、自尊心とプライドと自己顕示欲が高くストレス耐性や忍耐力が低く保守的で狭量で怠惰で傲慢な欧米の若者(35歳以下を想定)が多かった(煽りすぎ)。彼らは誰に対しても自分の方が賢い/優秀だという前提で話す傾向があり、聞いてもいないのに誰でも知っている情報や知識(しばしば間違っている)を自信満々に話してくるので、ノンストップおしゃべりタイプに出会ってしまった折には地獄だった。例えば、私が「ウイスキーで有名なスコットランドのアイラ島に行った」と言うと「そんな島はない(その人が知らないだけ)」と言ってくるイギリス人がいたり、私が「シェンゲン協定(なぜかみんな知らない)のルールで最大90日間しか滞在できない」と言うと「一回出てもう一回入ればいいだけじゃん、俺頭いい(そんなザルな訳ないだろ)」と言ってくる人が何人もいたり、私が「自分は歴史オタクだ」と言うと「歴史が好きなら歴史が長いフランスがおすすめだよ(ツッコミどころ満載)」と言ってくるアイルランド人がいたりして、post-truthの世界を感じさせる人たちが本当に多かった。これが自尊心を育てまくる教育の成果(副作用)らしい。
叱られ慣れていない欧米人
いわゆる儒教文化圏である東アジアの人は学校や職場などで先生や先輩に叱られ慣れているというか否定され慣れているところがあり、公共の場で係員や警備員に強めに注意されても「すみません」という感じで終わることが多いが、欧米人は叱られ慣れていないからか、同じような状況で100%その人に非があってもぶつぶつ文句を言ったり私は悪くないアピールしたりして去っていくことが比較的多かった。
日本より強いこともある同調圧力
自分の価値観を疑うことなく信じている人が比較的多く、そういう人が集まったグループにおける同調圧力は、日本よりも強いことが往々にしてある。
盲目的な日焼け信仰
ヨーロッパには日焼けはいいことという文化がありそれはそれでいいのだが、その文化に対する信仰が強すぎて長年日焼けしてきたせいか、顔や腕や背中の肌がボロボロのおばさんやおじさんがかなり多かった。日焼けはもう少し適度の方がいいのでは。
靴とリュックがダサい
なぜか靴だけダサい人が多い。頭から足首までスタイリッシュなのに、日本の小学生みたいな靴履いてたりする。あと日本の田舎の中学生みたいなリュック背負ってたりする。
日常生活
日本のコンビニみたいな商店が割とある
割とどの街でも、夜遅い時間や深夜でも営業しているフランチャイズ商店や個人商店が結構あって、それぞれの商品の品揃えも普通に日本のコンビニやスーパーと同等かそれ以上に豊富だったりした。あと他店舗展開している大きめのスーパーよりも個人商店の方が飲み物が冷えていたりしてサービスが良いことが多い印象がある。
クラクフの商店。飲み物の品揃えが豊富。
床屋のクオリティが高い
ヨーロッパ各地(ロンドン、ハンブルク、プラハ、サン・セバスティアン)で床屋に行ったが、どの床屋も値段€20以下で「フェードカットで」とだけ伝えると、終始かなり丁寧に細かいところまで調整してくれて、日本でも経験したことがないレベルの高い合格点を超えてくるクオリティをオールウェイズ出してくれた。
ロンドンの床屋。カットしてくれたおじさんがたまたま日本旅行を計画中だった。
パンが美味しい
どのレストランでも(頼んでないのに)出てくるパンがとても美味しかった。噛めば噛むほど麦の味がする硬めのパンが多く、こういうパンを毎日食べてるおかげでヨーロッパの人はみんな歯や骨格が健康なのでは。スーパーに売っている500gとか1kgのライ麦パンも安くてとても美味しいので、それを買っとけばとりあえず食糧には困らない。パンのコスパが半端ないので、外食しなければ食費が日本より安くなるという現地在住者の言葉も頷ける。
個性的だけど無名な教会がたくさんある
設計や内装がかなり個性的で観光地としてもかなり楽しいのに、無名で人が全然いなくて落ち着ける教会が街中にごろごろあって、街を散策するのが楽しい。
電動キックボードがゲームチェンジャー
大抵の大都市にはLimeなどが提供する電動キックボードが街のあちこちに置いてあり、それらを活用することで徒歩では遠いけどバスや地下鉄に乗るのも逆に時間がかかるみたいな移動の不便が一気に解決された。電動キックボードのおかげで一日に使える時間も体力も1.5倍になった感覚があり、スケジュールに大きな余裕をもたらしてくれた。まさにゲームチェンジャーと呼ぶにふさわしい。
ベルリンで乗った電動キックボード。
インフラのクオリティが低い
地下鉄駅の券売機や改札や車両、宿泊施設のトイレや洗濯機や空調など、街中のあらゆるインフラや機械が故障したまま放置されていることがよくあった。道路や歩道の舗装状態も日本と比べものにならないぐらい悪く、暗闇で道を歩くと普通に危なかった。さらに細かい部分を指摘するとキリがないが、券売機がチケットをプリントするまでの時間が長かったり、タッチ式の改札の感度が悪かったりしたが、そういう部分も積もり積もると社会全体への経済損失が意外と半端ないんじゃないかと思う。
列車が時間通りに出発しないのはもはや常識だが、長距離列車(逃すとダメージ大きめ)が出発10分前に欠航したりプラットフォームが変更されたりする(英語アナウンスなし)こともよくあり、列車に乗って席に着くまで全く油断できなかった。
海外でこういった経験をすると、日本の戦後のインフラ整備がもたらす恩恵の大きさや土木建設技術のクオリティの高さを痛感する。
ゴミが多くて汚い
とにかく道端に落ちているゴミが多かった。少なくとも日本の渋谷ぐらいはゴミが多かった。道端に落ちている犬の糞やタバコの吸い殻も驚くほど多い。ゴミが多い分もちろん臭い。風が強い時には色々なものが蠢き飛び交うことになり特に悲惨だった。また美術館のような場所でも紙屑やガイドマップなどがあちこちに落ちていたりした。
似たような話で色々なものが汚かった。公共のトイレはもちろん、飲食店の床や椅子、スーパーマーケットの買い物かごまで汚かった。
ロンドンやパリやローマなど観光地の美しいイメージが強い街は特に、現地に行ったことがない人にこの話をしても信じてもらえないことが多い。
行列が多くて長い
スーパーマーケットのレジや駅のカスタマーサービスや券売所など、街のあちこちでとにかく行列が多くて長い。需要が多い云々ではなく、そもそも供給側が(資本家も労働者も)サービスを改善する動機が一切ないらしく、どんどんサービスが劣化して顧客負担が増加していく資本主義のモラルハザードが多発していた。「ヨーロッパは失業率がー」とかみんなが言っている現実を初めて体感した。
目的地までの障害が多すぎる
目的地までただ徒歩で直進するだけで到着するはずなのに、道路が舗装されていなかったり、交通量の多い道の横断歩道に信号がなかったり、狭い歩道で前から来る歩行者が1ミリたりとも道を譲ってくれなかったり、犬に追いかけられたり、障害物多すぎて「俺はマリオか」ってなることがたまにあった。
宿泊施設の設計が雑
設計が雑なホステルやホテルが多かった。トイレのドア(押戸)を開けるとドアと便器の間が1cmぐらいしかなく一度便器を跨いで越えてからドアを閉めないといけなかったり、トイレットペーパーホルダーの位置が便座の10cm下にあったり、バスルームに換気機能が一切なかったり、その場のノリで工事したんかみたいな設計のオンパレードだった(全て別の街の話)。
レストランが面倒くさい
まず店に入っても店員が忙しいと永遠に席に案内されないことがある(勝手に座って形式の場合もある)。席に着いても店員が忙しいとメニューが永遠に来ないことがある。メニューが来て注文を決めて店員を呼ぼうとしても店員が忙しいと永遠に来ないことがある。なぜか料理だけは早く来る。店員も追加のドリンクやデザートを勧めてくる時だけはすぐに来る。料理を食べていると「すべて問題ないか」と聞かれるので、たとえ問題だらけでも「問題ない」と答える。料理を食べ終わり会計したくても店員が忙しいと伝票が永遠に来ないことがある。サービスが良くないところに限って「チップはどうするか」とプレッシャーをかけてくる。とまあ若干大袈裟ではあるが、あながち冗談ではなく、レストランは割と面倒くさくてエネルギーを消耗するところが多かった。ただ、ヨーロッパのおしゃべり至上主義を前提にしたサービスとも言えるので困っている人はあまり多くなさそうだった。ウェイターはチップをたくさんくれそうな客を優先するらしい。
全部の音がいちいち大きい
車のクラクション(頻度が日本の5倍ぐらい)、パトカーや救急車のサイレン(音の大きさが日本の3倍ぐらい)、誰かの呼び声や会話の声など、いちいち大きくてビクッとすることが多かった。嘘だと思うかもしれないが、路上で叫ぶ(反射的に振り向くレベル)奴がとにかく多かった(日本の100倍)。
路上駐車
アメリカとかと違ってそもそも道幅が広くないのに、あちこち路上駐車(合法)だらけでさらに道幅が狭くなっていて、数人の利益のために何千人何万人もの通行の不利益になっているのは経済効率的にいかがなものかと思う。
中央駅の店舗の最適化
各都市の中央駅に行くと、長距離列車に乗る前に食料を手に入れるべく飲食店に行列ができていて、その隣の手帳や文房具などを売る雑貨店は客が全然いないみたいなことがよくあって、需給が最適化されていないと感じることが結構あった。中央駅に限らずあらゆる場所でそうだったような気もする。
通勤時は割と満員
東京ほどではないにせよ、どこの都市も朝夕の通勤時は電車やバスが割と満員だった。
バスルームに換気がない
バスルームの換気機能が皆無の宿泊施設が多い。ホステルならまだしもそこそこのホテルやアパートメントでもたまにある。高温多湿地域じゃないからか換気意識が弱い。
夏のヨーロッパは夜景が楽しみにくい
夏のヨーロッパは日が長すぎて完全に真っ暗になるのが22時とか23時以降だったりするので、夜景を楽しもうとすると夜遅くに然るべきスポットに出かける必要があって、スケジュール的にも治安的にも楽しみにくいことがたまにある。
長距離バスも選択肢に
長距離移動の場合、経験上、バスよりも鉄道の方が運行遅延や運行停止の頻度が高く、意外と所要時間は変わらないことがあるので、長距離移動の手段としてバスも選択肢に入れるべき。
ATM端末が野ざらし
「ヨーロッパは自販機なんか置いたらすぐに破壊されるから」みたいな話をよく聞くが、ATM端末は割と野ざらしに置いてあったりする。
網戸がない
どの宿泊施設も網戸がなく、換気しようとすると虫が入り放題。
食
ポテチの値段が高い
贅沢品だからか食欲に訴求して需要が高いからか、水やその他の商品に対する相対的な値段が日本の2倍ぐらいした。
チンできる容器か不明
スーパーで買ったパスタなどの容器が電子レンジでチンできる容器かどうかが毎回分からなくて困った。
一人分の量が多くてデカい
どこの街でも一人分の食事の量がとにかく多くてデカかった。朝食だろうがデザートだろうがお構いなし。そりゃ太るよ。 ロンドンのフルブレックファスト:皿の直径が30cmぐらいある
トマトソースパスタが好きだと便利
どの国のどの都市のどのスーパーにも大体トマトソースパスタらしきものが売られているので、トマトソースパスタが好きだと幸福度高く生きられる。
日本に対する印象
日本の知名度が低い
ヨーロッパを旅している時に世界中(主に欧・米・加・豪)から来た旅人たちと話す中で、日本ってここまで知られていないんだという経験をたくさんした。ざっくり言うと、海外を旅する欧米人が持っている日本(または東アジア)についての知識は、一般的な日本人が持っているアフリカについての知識ぐらいという印象を受けた。少なくとも、彼らが持っている日本についての知識よりも、一般的な日本人が持っている欧米についての知識の方が圧倒的に多いというのは確信した。例えば一般的な日本人は、イギリスやドイツの都市の名前をそれぞれ5つ以上は聞いたことがあるという人がほとんど(私調べ)だが、日本の都市名を3つ以上聞いたことがある人に出会ったことは今回の旅ではほぼ皆無だった。ほとんどの場合、東京の知名度だけ100%でそれ以外の都市の知名度はほぼゼロだった。トロント大学で講師をしているというカナダ人が「知らなかった。日本って島国なんだ」と言うのを聞いた時は流石に耳を疑った。教育の影響なのかメディアの影響なのか、単純に日本だけでなく全般的に知識が少ないだけかもしれないが、日本人はよっぽど他の国のことをよく知っている方だとつくづく感じた。
日本は物価が高いと思われている
ヨーロッパ各地で、私が日本出身だと言うと、"Oh, I wanna go to Japan, but Japan is expensive." と何人もの人から言われた。その度に「ランチ最低でも2000円する国の住人が何言ってんだ」と心の中で思いながら「今はもうヨーロッパの方が高いよ。これ本当にマジで」と返していたが、やはり(バブル期から残る?)ステレオタイプは非常に根強いと感じた。
その他
シェンゲン協定がありがたい
シェンゲン協定のおかげでヨーロッパの大半の国に国境を気にせずに行き来し放題なのは本当にありがたかった。一度圏内に入ってしまったらパスポートを使う機会もほとんどなく、非常に便利だった。シェンゲン圏内の国の国民はもはや国民カードだけあれば圏内の他国に行き放題なのでパスポートすら必要ないらしい。
何かと融通が効く
ヨーロッパは日本より現場にある程度大きな裁量が与えられる傾向があるからか、担当するスタッフによってはいい感じでコミュニケーションをとるとグレーな融通が効くことがたまにあった。
それ政府系機関です
やたら大きくて豪華な建物なのにそれが何かをGoogleマップ上で探しても中々名前が出てこない場合は、ほぼ政府系機関だった。
みんなシェンゲン協定を知らない
ベルリンで会ったアイルランド人4人組もマドリードで会ったイギリス人もその他大勢の旅人もシェンゲン協定を知らなかった。アイルランド人もイギリス人も大いに影響がありそうだし学校でも必ず習いそうな気がするんだが。彼らの多くが親がスペイン出身だったりイタリア出身だったりして子供の頃からヨーロッパ中を行き来してると言っていたので、なおさら知っていてもおかしくなさそうだが、むしろ当然すぎて(?)知らないらしい。もしかしたら国境に関してEU外の外国人とは根本的に異なる認識をしているのかもしれないし、私の知らない別のルールが適用されているのかもしれない。謎。
参考:シェンゲンと共通旅行区域(イギリス+アイルランド)問題。悩む観光業:英国の解体とEUを考える 1
中堅ホテルはクオリティが低い
都市によって異なるが大体1泊5000円から1万5000円ぐらいの中堅ホテルのシングルルームは、古くてカビ臭かったり空調が壊れていたり清掃が行き届いていなかったりとクオリティが低いことが本当に多かった。同じ価格帯であれば個人が小規模に管理しているアパートの一室の方があらゆる要素で圧倒的にクオリティが高かった。下手したら5000円以下のホステルの方が何かとクオリティが高く快適なことも少なくなかった。
おそらく理由として、ホステルは一晩で一室に6人も10人も泊まるため、フィードバックの数が圧倒的に多く、また利益率も高そうなのでそのフィードバックを受けて改善する資金とメリットがある、つまりフィードバックループが何倍も速く回るからではないかと思う。理由はなんであれ、ヨーロッパの宿泊施設については高級ホテルを除くと高かろう良かろうという法則があまり役立たないというのが私の印象だった。
宿泊施設のレビュー
宿泊施設などのレビューは、サービスや住環境周りの基準が日本人よりもはるかに低い人々が書いていることを忘れてはいけない。