アイラ島滞在記2022(1日目)
そもそも
2022年6月にアイラ島に滞在した時の様子。1日目。
グラスゴーからアイラ島へ
グラスゴー市内のバスターミナルからシャトルバスに乗ってグラスゴー空港へ。誰もいない。
フライトが1時間半ほど遅延していたので、ウイスキーを飲みながら待つ。
ようやく飛行機(小型プロペラ機)に乗り込む。
クライド川の全体がくっきり見渡せる。美しい。
30分ほどでアイラ島が見えてきた。胸が高鳴る。
小さな空港に無事到着。時刻は19時を過ぎており、ホテルのある市街地(ボウモア)行きのバスはもう無くなっていた。
空港からボウモアへ
タクシーを事前予約している人もいれば、何も事前準備しておらず途方に暮れている人もいた。自分は事前にバスの時刻表を調べていたのでフライトが遅延した時点でバスが使えないことは分かっていた。地図を確認すると2時間ぐらい歩けば着きそうだったので歩いて行くことにした。徒歩2時間と聞くと驚くかもしれないが、普通に一日中観光地を回れば2時間どころか8時間歩くこともあるし、今日はずっと空港で座ってただけだし、日も長いから暗闇の心配はないし、天候も快適だし、何より風景見てたら楽しそうだしと考えて、むしろワクワクしていた。
という訳でレッツゴー!
草原と果てしなく続く道の感じが堪らなく美しかった。
羊たちがのびやかに暮らしている。夢のような大自然が目の前に。
大自然を満喫していると、後ろから車が来て自分の横に停まった。歩き始めてまだ5分しか経っていない。アイラ島ではヒッチハイクが有効な交通手段だということは事前に知っていたが、この時はそのつもりがなかったのでハンドサインなども全くせずにただ歩いていた。運転手が窓を開けて「乗ってくか?」と聞いてきたので、私は「いいの?じゃあお願い!」と言って車に乗り込んだ(ご厚意を断ってまでどうしても歩きたい訳ではない)。乗り込んだのはタクシーで、聞くとイギリス人の若い男女3人が心配して停めてくれたとのこと。なんとも優しくて感謝でいっぱいだが、不覚にも「俺じゃなくてさっき空港で途方に暮れていた中年夫婦を乗せてあげてほしかった」と思ってしまった。なぜかその中年夫婦に罪悪感を抱きながらボウモアに向かった。
ものの10分もしないうちにボウモアに到着した。彼らはさらに北に向かうとのことだったので、最大限の感謝を伝えて見送った。
なんともあっけなかった。2時間かかると思っていたのに15分も経たないうちに到着してしまった。
ロッホサイドホテル
宿泊するのはロッホサイドホテル。アイラフェス(年に一度のウイスキー祭り)の期間だったにも関わらず1週間前に£120で予約できたのは幸運だったのかもしれない。日本を出国してから17日目にしてはじめてのバスルーム付きシングルルームだったので、快適すぎて感激した(まさかこの後約1ヶ月間毎日ホステルに泊まることになるとは。。)。
ボウモアの街を散策
キラロウ教区教会を臨む大通り。ボウモアの街はキラロウ教区教会を中心に碁盤の目のように計画されている。
大通りの終点は小さな港になっていて
小型ボートが佇んでいる。
夕日を眺めていると、おじいさんに話しかけられ、しばしおしゃべり。聞くとアイラ島出身でこの時期だけ帰郷しているという。ありふれた会話も心温まる。
ボウモア蒸溜所が夕暮れに映える。
ボウモアホテルのバー
ボウモア一番のウイスキーの品揃えを誇るボウモアホテルのバーにやってきた。
Bowmore(ウイスキー)のバリエーションが多すぎてもはや全く見当もつかない。
裏側にもカウンターがあると言われたので見に行くと、希少で貴重なアイラモルトがズラリと並ぶ圧巻の光景。もはや品揃えがいいというレベルを遥かに超えている。
迷った挙句、ハンドフィルのBowmoreをいただく。状況も相まって最高だった。
飲んでいると、隣の席に50代ぐらいのご夫婦がやってきた。自然とおしゃべりが始まる(2時間弱)。フェアギ&ダナご夫婦は、夫のフェアギさんがアイラ島出身でこの時期に帰郷していてるとのこと。このバーで今まさに働いている若い青年は甥っ子だという。
途中バンドがやってきて演奏を始めたり、若者がビリヤードを始めたりしてとにかくお祭り騒ぎの陽気な雰囲気。
時間はあっという間に過ぎ去った。
夜9時半ごろの海沿い。
ロッホサイドホテルのバー
自分が宿泊しているホテルにもバーがあったので行ってみた。店内は大音量の音楽と陽気な活気で満たされていた。
こちらもアイラモルトがズラリ。2杯ほどいただいた。
夜風にあたろうと再び海沿いへ。空にはまだ明るみが残る夜10時半ごろ。
グラスゴーからの長い長い一日が終わりを告げる。
参考書籍
Whisky Galore Vol.22 2020年10月号