ナポリ国立考古学博物館が衝撃だった
そもそも
ナポリ滞在記2022のスピンオフ。
ナポリ国立考古学博物館は、19世紀前半スペイン・ブルボン家統治時代に開館した考古学博物館で、スペイン王カルロス3世が母方のファルネーゼ家から受け継いだ古代ローマ時代の彫刻(ファルネーゼコレクション)や、ポンペイやヘルクラネウムなどナポリ近郊にある遺跡から出土した古代ローマ時代のモザイク画などを展示している。
ファルネーゼコレクション
スペイン・ブルボン家統治時代に王カルロス3世が母方のファルネーゼ家から受け継いだ古代ローマ時代の彫刻(ファルネーゼコレクション)が展示されているゾーン。彫刻は主にナポリ近郊ではなく首都ローマで出土したもの。
『馬に乗る瀕死のアマゾーン』
『ハルモディオスとアリストゲイトン』
『エロスとディオニュソス』
『キタラを持つアポロン』
『ネメシス』
『幼児ディオニュソスを抱くヘルメス』
『パーンとダフニス』
『エロスとイルカ』
『ウェヌス』
『エフェソスのアルテミス』
『座る犬』
『跪く異邦人』
『イシス』
『ファルネーゼのヘラ』
『アスクレピオス』
『槍を持つ人』
『ファルネーゼのラーレ』
『ファルネーゼのフローラ』
『ポーモーナ』
『ファルネーゼのヘラクレス』
『ファルネーゼの雄牛』
『尻の美しいウェヌス』
『屈むウェヌスとキューピッド』
『子どもとガチョウ』
『猪の調理』
『巨人神族、アマゾーン、ペルシア人、ガラティア人』
『ユリウス・カエサル』
フレスコ画
ポンペイ、ヘルクラネウム、スタビアエ、オプロンティスなど、79年のヴェスヴィオ火山の噴火で壊滅したナポリ近郊の都市で出土したフレスコ画が展示されているゾーン。
キケロの別荘(ポンペイ)から出土した『踊り子たち』
神殿を描いた画。
Casa del Marinaio(ポンペイ)から出土した『ニオべの子たちの虐殺』
メレアグロスの家(ポンペイ)から出土した壁画。
悲劇詩人の家(ポンペイ)から出土した『生贄にされるイピゲネイア』
『解放者テセウス』(ポンペイ)
時代感覚がバグる色彩豊かで写実的な静物画。古代ローマに対する現代人の文明観の方が誤っているらしい。ルネサンスがルネサンスたる理由がよく分かる。
『円形闘技場での乱闘』(ポンペイ)
モザイク画
フレスコ画と同じくナポリ近郊の都市で出土したモザイク画が展示されているゾーン。あまりの完成度の高さに衝撃を受けた。
世界史の教科書で見たことがある『イッソスの戦い』。ポンペイにある「ファウヌスの家」の床に描かれていた。本物は残念ながら修復中で見られなかった。
実際に「ファウヌスの家」に行った時の様子。床は復元されたもの。
秘密の部屋(14禁)
「秘密の部屋」という名前も「14禁」も冗談ではない。
フレスコ画はポンペイの娼館などに描かれていたもの。
『ヤギと交尾するパーン』
古代ローマでは魔除けとして機能していた、男性器を強調した置物や首飾り。その名もティンティナブラム(冗談ではない)。
娼館の入口には目印として男性器のオブジェがあったらしい。
ギリシャ神話で豊穣や生殖を司る神プリアーポス。
感想
彫刻もフレスコ画もモザイク画もあまりの完成度の高さに衝撃の連続だった。古代ローマ人の文明レベル高すぎて、自分の文明観を補正した。