ナポリ滞在記2022
そもそも
2022年7月にナポリに滞在した時の様子。
ナポリは、ローマとミラノに次ぐイタリア第3の都市で、カンパニア州の州都。人口約90万人(北九州市と同じくらい)。「ナポリを見て死ね」という一節が有名なくらい、ヴェスヴィオ火山を背景とする風光明媚な景観は比類なき美しさを誇る。一方で街の路上は比類なき汚さを恥じる。伝統的にカモッラというマフィアの本拠地としても知られる。街の一部が「ナポリ歴史地区」として世界遺産に登録されている。ナポリ近郊には、ポンペイ遺跡、アマルフィ、イスキア島、カプリ島など人気の観光地が点在している。『ジョジョの奇妙な冒険 第5部』の舞台としても知られる。
スピンオフ
ナポリ中央駅
中央駅構内は比較的綺麗だったが、駅を一歩出るとゴミの多さと治安の悪さを如実に感じた。

サンナザーロ広場
セイレーンの噴水の噴水がある広場。セイレーンはギリシャ神話に登場する人魚で、美しい歌声で海上を航行する人々を惑わし遭難・難破させていた。オデュッセウスが船員に耳栓をさせ自分をマストに縛りつけ、誰も歌声に惑わされないように準備した上でセイレーンの歌声を聴きに行ったところ、その作戦が見事成功し遭難・難破することなくセイレーンの美しい歌声を聴くことができた。一方、歌声で人を惑わすことに初めて失敗したセイレーンは自殺した(大袈裟やろ)。セイレーンの死体はナポリの海岸に辿り着き、ナポリで埋葬され、それがナポリの風光明媚な風景となったとされる。諸説ありまくり。

ポジリポの丘
『ジョジョの奇妙な冒険 第5部』でジョルノがブチャラティを追いかけて辿り着いた場所。歩いて行ったが勾配が激しくて割と大変だった。ヴェスビオ火山を背景にしたナポリの絶景を堪能できる。

Lungomare di Napoli
ポジリポから卵城に至る海岸沿いの遊歩道を歩く。海は美しい。

卵城
12世紀にノルマン人によって建設された城。卵城という名は、魔術師が城の土台に魔法の卵を埋め込み、それが割れる時ナポリに災いが起きるという伝説に由来する。アンジュー家統治時代には倉庫として使われ、アラゴン家統治時代には大砲を備えるなど要塞として強化された。

入口で「チケットはオンラインでしか購入できない」って言うだけの職員が3人いた。IT化の本質見失ってないか。
ヌオーヴォ城
アンジュー家統治時代にカルロ1世の命で建てられた城。アラゴン家統治時代には城の外観を特徴づける5つの円塔が加えられるなど大幅な改築が施された。

ガッレリア・ウンベルト1世
ナポリ再開発の一環として建設され1890年に完成したガッレリア(アーケード)。イタリア王国第2代国王ウンベルト1世に捧げられた。内部にはショップやカフェが並ぶ。

ナポリ王宮
17世紀初頭スペイン・ハプスブルク家の統治時代に建設が始まり、18世紀前半スペイン・ブルボン家の統治時代に改築された王宮。
王宮前に広がるプレビシート広場。

ファサードには歴代のナポリ王の彫像が置かれている。

内庭。

Galleria del Mare
クルーズ船の船着場にあるショッピングモール。

クルーズ船デカすぎ。

トレド通り
市街中心地を南北に走るナポリ最大のショッピング通り。

ちょっと路地を覗くと、あら、いい雰囲気。

スペイン地区
スペイン・ハプスブルク家統治時代にナポリ市民の暴動を鎮圧するために派遣されたスペイン軍兵士の駐屯地だった地区。当時から近現代まで売春や窃盗などの犯罪やギャンブルが横行していたという、治安があまり良くないとされるエリア。実際に行ってみたところ、格子状に張り巡らされた細い路地に生活感が溢れまくってて混沌とした独特な雰囲気はあるものの、危険はさほど感じなかった。バイクが細い路地を縦横無尽に走り回っていて、それだけ物理的に危険だった。
スペイン地区は丘の斜面に築かれているため割と傾斜があった。路地によって雰囲気が異なる。

スペイン地区の上の方に登っていくと、やけに雰囲気が明るい空間に出た。やたらマラドーナが奉られていたので調べると、マラドーナはSSCナポリ時代にセリエA優勝2回、UEFAヨーロッパリーグ優勝という偉業を成し遂げたナポリの大英雄だった。マラドーナ以外にもこの辺りの建物の壁には様々な人物のアートが描かれていた。

ナポリのサンセヴェーロ礼拝堂にある、彫刻家アントニオ・コッラディーニ(晩年をナポリで過ごした)の作品『謙遜』が描かれている。

フニコラーレ
フニコラーレ・チェントラーレ線のAugusteo駅。ケーブルカーの駅。

車両は新しそうで綺麗だった。『ジョジョの奇妙な冒険 第5部』でジョルノとブチャラティが一戦交えたのもこのフニコラーレの車内だった。

ヴォメロ地区
市街地西側の丘の上にある洗練された地区。フニコラーレに乗ってやってきた。

サンテルモ城
14世紀アンジュー家統治時代にヴォメロ地区に建設された城。16世紀スペイン・ハプスブルク家統治時代に現在の縦長の星形要塞へと改築された。17世紀以降は牢獄としても機能していた。ナポリの景観を最も美しく一望できる場所かもしれない。

要塞み溢れる通路。

広大な屋上空間。

いやー美しすぎた。「ナポリを見て死ね」は本当だった。ナポリのヴェドゥータ(景観画)をあまり見かけないのはなぜだ。

帰りは人通りの少ない道を歩いて下丘。割れた瓶が散乱してたり、壁が落書きだらけだったり、警官の「動くな!」ぐらいの勢いで「Alexa Stop!」って聞こえてきたりしたので、夜は絶対に歩きたくない。

サン・マルティーノ博物館
14世紀に創建され16世紀に改築された修道院の建物を利用した博物館。

18世紀の王室の馬車。

ベルニーニ『聖母子と幼児聖ヨハネ』

バッティステッロ・カラッチョロ『聖母被昇天』。ナポリ出身画家でカラヴァッジェスキ(カラヴァッジオに影響を受けてその作風を受け継ぐ画家)だった。

キリスト降誕をミニチュア人形で表現したプレセーぺ。こういうのは初めて見た。

大回廊。中庭には頭蓋骨で飾られた墓地が。

バロック様式の教会の身廊。

ダンテ広場
16世紀から19世紀まで定期的に市場が開催されていた広場。イタリア統一後にダンテ広場と名付けられ、広場中央にダンテ像が置かれた。右側に見えるのは、18世紀にスペイン・ブルボン家統治時代にカルロ3世を称えるために建てられた建物で、建物上部にはカルロ3世の美徳を示すための彫像が並ぶ。

ベッリーニ広場
広場近くのナポリ音楽院で学んだシチリア出身の作曲家ヴィンチェンツォ・ベッリーニの名を冠する広場。広場中央には、紀元前に遡る古代ギリシャ時代の遺跡が剥き出しの状態で展示されていた。

トリブナリ通り
商店や飲食店で賑わう東西にまっすぐのびる通り。古代ギリシャ植民市時代に起源をもつ。

カプアーナ門
15世紀後半アラゴン家統治時代にフェルディナント1世の下で、ジュリアーノ・ダ・マイアーノの設計によって建設された城門。

街の様子
街は全体的に雑多で混沌としていて、イタリアやヨーロッパの他の都市よりも香港や東南アジアの都市に近い印象を受けた。路上のゴミはかなり多いし、道路状況はぐちゃぐちゃでずっとクラクション鳴ってるし、地下鉄は券売機も改札も電車(?)もよく壊れてるし、なかなか住みづらそうだった。

宿泊地
宿泊した建物の中庭。ここはどの国のどの都市でしょうクイズ出したい。
